官事務所の窓

キアゲハの子どもたち

東京でもキアゲハがいるらしい。

ある朝ベランダのパセリが丸坊主になり、

丸々と太った体長5センチもあろうかという、緑と黄色の縞模様の芋虫が二匹現れた。

キアゲハの幼虫だ。

昼には一匹消え、

笊を被せたもう一匹も夕方には居なくなっていた。

蝶は頑なに食性を守り、棲み分けるという。

パセリとニンジンの葉くらいしか食べない子どもたちは他の鉢には目もくれない。

どこかの家のパセリの匂いを便りに旅立って行ったのか、

それとも鳥に食べられたか、

餌にしようと買って来た新しいパセリだけが空しくフサフサしている。