官事務所の窓

噛まれる

ワニの飼育員は20年付き合った相手でも、檻の中で決して背中を見せないと聞いたことがある。

襲われるかもしれないからだ。

なかなか心を許さない…、流石ワニである。

私の場合、噛まれたのはワニではない。

旧知の犬だ。

この前会った時は、喜んで走り回っていたのに。

可愛くて、4、5日胸がほこほこと暖かだったのに。

首を撫でながら「ん?今日は目が冷たい」と思った途端に手を噛まれた。

「いい気になるなよ。」と釘を刺したのかもしれない。

「はい、ごめんなさい。」とちょっぴりしょぼん。

が、友だちは内にもいる。

それを教えてくれたのは30分後に気づいた反応だった。

続く…。