官事務所の窓

冬の紅葉

12月なのだから秋とは言えない。

けれど今年の紅葉は遅い晩秋を噛みしめるように、

いつまでも綺麗だ。

各地から雪のニュースを聞く度に申し訳ない気持ちになりながら

東京の抜けるような青空を背に黄色や深紅に染まった紅葉に足を止めずにはいられない。

 

俯いて足早に通勤の道を歩く。

ハッと気づいて目を上げると、そこには別世界がある。

自分が見たり感じたりしている世界はもっと大きな世界に包まれている。

上手くいかない事や、理不尽なこと、悔しい思い…

人生にいろいろなことはあるけれど、

それがもっと大きな存在からの祝福ではないと

誰が言えよう。