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骨盤骨折からの回復

                             官足法指導員 篠原啓太(49歳 茨城県)

2020年1/5 自転車で転倒、入院

救急車で病院に搬送、骨盤骨折と診断され即入院となりました。

レントゲンとCT撮影の結果、左側寛骨臼で広範囲にわたる亀裂骨折のほか、恥骨と坐骨の骨折が判明。骨折による骨全体のズレはギリギリ許容範囲で、手術はせず左下半身を安静にして様子見、とのこと。血管損傷による出血性ショックの危険があり、骨盤が広範囲に骨折しているので、安定せず徐々にズレが大きくなるリスクもありました。

入院が決まると、妻が家から荷物を持ってきてくれました。そして、炎症を抑えるアロママッサージをしてもらい人心地ついたところで、ふと妻の手を見るとなんとグリグリ棒が…。同じ官足法指導員である妻は「足揉みしよう!」と言ってくれました。私は骨折の痛みで官足法実践にまで思いは至らず、でもその一言に「ぜひ頼む」と。二人で「股関節だ、副甲状腺だ、脳下垂体だ、…」と言いながらグリグリ始めた初日でした。

 

1/6 リハビリ開始

理学療法士さんとリハビリ開始。まだ先の予定は立てられず「歩けるようになること(時期未定)」というホワ~っとした目標を立てました。

 

1/9 痛み止めが不要に

当初心配された出血性ショックはなく、痛みも急ピッチに引き始め3日目の朝からは痛み止めの薬も不要になりました。二回目のレントゲン撮影で、骨盤のズレも見られませんでした。

今考えるとこの時期は大事な時期で、直ぐに始めた足揉みの効果は大きかったと思います。受傷で痛む患部は、股関節等の反射区をグィっと押されるとビリっと痛むわけですが、痛みに痛みで対抗するというか、何か細胞が刺激され修復されるような不思議な感覚だったことを覚えています。回復への期待を体で感じることができた時期でした。

 

1/12 様々な姿勢をとれるようになり自分で足揉みが可能となる

 

1/19 車椅子に着座成功

 

1/22 車椅子で移動しトイレで用足しに成功

ベッド上である程度の姿勢が取れるようになり、自分で足を揉めるようになりました。メインは“これいいわ”を使用。直接手の届くところは官足棒Bを削った平棒とグリグリ棒で。一日3回、トータル5~6時間程。食事・睡眠・検査診察及び休憩(読書等)を除くとあとは筋トレか足揉みをしていました。

部位的には股関節・胸椎/腰椎・肩/肘/膝・肝・腎・副腎・副甲状腺と足の反射区を揉みまくったのですが、消化器系全般も結構大事でした。というのも、この時期の悩みはトイレです。寝たきりで自分で用足しが出来ないと肉体精神両面から便秘になる訳ですが、なかなか辛いものです。(もよおす度に看護師さんを呼んで姿勢を整えて準備して…、でも出ない、を繰り返すのはやはり気が滅入る)でも私は足揉みを徹底したせいか、お通じに関してはほぼ順調でした。長い入院生活にとって大事なことです。

この時期は、身体を動かすと姿勢によっては激痛が走るのですが、足もみの範囲を広げる、車いすに座る、トイレに行く等、目標に向けチャレンジを繰り返した時期で、チャレンジ、痛い、失敗を繰り返しながら、徐々に目標をクリアしていきます。自分でトイレに行くことが出来た時は本当に嬉しかったです。

 

1/31 松葉杖で片足歩行開始。

 

2/13 左足を地面に着ける。1/3荷重許可(=体重の1/3まで負荷OK)

 

2/15 退院。

<人に支えられ、そして官足法を信じる>

受傷後一ヵ月が経過し、手術不要がほぼ確定し、ひと安心。骨は通常3か月で修復するそうですが、受傷部位や範囲から判断が難しかったようで、ドクターはまだ回復見込みを示してくれません。そんな中、担当看護師さんや若い理学療法士さんの明るさに元気づけられ、ひたすら回復を信じリハビリと足揉みに精を出した時期です。官足法の威力を十分理解していたので、とにかく不思議なくらい足揉みに集中することができました。

 

2/15~3/31

定期的に通院&リハビリ指導を受けながら、自宅でリハビリの日々。

松葉杖を使いながら、ウォークマットも開始。G棒、握り棒等、家にあるアイテムを総動員して足をもむ。歩行練習、筋トレ、足揉みをセットで繰り返していました。

身体への負荷は1/2荷重、3/4荷重、全荷重 とステップアップし職場復帰に備えました。

<身体と会話し自分を信じる>

徐々に回復していたとはいえ、本当に歩けるようになるのか?という思いが頭をよぎります。絶対大丈夫、と誰も言わないし、わからない訳ですから。でも自分の身体は自分が一番よくわかる、人に安心させてもらうのではない、自分の身体と対話して自分の身体を信じるのはあくまで自分自身である、このことを再認識した時期でした。

(まさに官足法で学んでいたことで、自然とこうした考え方に至ることが出来ました)。さて、足の状態ですが入院中は寝た状態がほとんどの生活なので、足もみや筋トレをしていたとはいえ、足はすっかり変貌していました。足首から下は両足とも、筋肉が落ち非常に薄くなっていました。足裏先端部(反射区で言うと僧帽筋のあたり)は非常に硬くなりカチカチで反応も鈍い。脚部については、動かせない左足は痩せて固くなり、一方で右足は筋トレと足揉みをしっかりできたからか以前に近い状態でした。

さてどうなるか、とウォークマットを始めて3~4日、足裏先端部の硬さがみるみるうちに取れ、柔らかくなっていきました。更に歩行を始めると薄くなった足の甲が徐々に厚くなっていきます。同時に足裏全体の柔らかみが増して、手入れをしなかった畑の土に肥料をやり耕してフカフカになっていく、そんな感じでした。

この時期はウォークマットの効果を改めて実感、これを踏めるのと踏めないのでは大きな違いですね。松葉杖で負荷を調整しつつ踏みましたがそれでも効果十分でした。

 

4/1~6/17(現在)職場復帰

職場復帰を果たしました。GW明けまで車通勤&在宅勤務となり、今はほぼ毎日電車通勤となりましたが、無事通っています。

GW前後には10km歩行、里山登山、家庭菜園での農作業もやりました。

今後は以前続けていた地元のマラソン大会にもう一度出ることを目標に、トレーニングを続けたいと思います。

 

【最後に】部分ではなく全体を

患部だけではなく、身体全体を整えないとリハビリは続けられませんでした。患部をかばおうと右足や右の腰に負担がかかり、歩行訓練では杖を突く腕や手のひらが痛くなります。

“そこ”だけを見ない、“そこ”だけを治そうとしない、これも官足法の教えでした。

足を揉んで、血流が良くなって、各細胞が頑張って治ろうとしている。患部だけではなく、身体全体を整えないとリハビリは続けられない、身体と対話し続けた日々でした。

今、周囲の人に支えられここまで回復したことに感謝する日々です。

そして、官足法に出逢っていたおかげで、スムーズに本格的なリハビリに移行でき、ひたむきに回復を信じることが出来たと思っています。

 

最後にもう一度

“足揉みをしていて良かった、官足法に出逢っていて良かった。