体験談

うつ病からの回復

T.M.(写真は2019年現在)

4年前の6月、急に耳が遠くなり、目の前が白くなり視界が狭くなって、職場の朝礼中に倒れました。軽い脳梗塞の疑いがあると言われ、大きな病院で検査を受けましたが、脳に異常はありませんでした。

その後、発熱や咳・悪寒などの症状が出ました。また、人混みで、人の顔と向かい合うことが辛くなりました。そのような場所のザワザワとした音が辛く、次第に音を避けるようになりました。やがて、「笑わなくなった」「表情がない」などと指摘されるようになり、不眠や食欲不振などの症状も出てきました。非常に抵抗がありましたが、心療内科に行くと“うつ病”と診断され、睡眠導入剤・抗うつ薬・漢方薬が処方されました。

約1か月休職し、一度は復職しましたが、症状が悪化して再びドクター・ストップがかかりました。「この休職が明けた時、完治していなかったら辞める。」という条件で再度休職しました。

■官足法との出会い

休職中、姉の紹介で官足法指導員の浜崎ふく子先生に出会い、官足法を知りました。最初はどこを揉まれても痛く、叫び続けていたことを覚えています。心臓の反射区を揉まれれば動悸がして、副腎の反射区を揉まれると治まりました。肝臓の反射区を揉まれると足の裏が黄色くなりました。

私の両足小指の外側には、ウオノメがありました。このウオノメが目眩の原因で、「今から取る」と言われ、耳を疑いました。ウオノメを外側から中心に向かって揉まれると、かなりの痛みがあり、芯の部分が落ちました。その時に、メニエール病の可能性を指摘されました。指導後、足が腫れたり、うっ血したりしましたが、スッキリした気持ちになれたので、自分でも足もみを始めました。

それ以来、浜崎先生のアドバイスの下、薬をほんの僅かずつ様子を見ながら減らして足を揉みました。もらった薬は溜めておきました。薬を止めても症状が悪くなることはなかったので、薬を止めたまま足を揉み続けました。

そして1か月に一度、浜崎先生に指導を受け続けました。2度目の指導の時、親指を揉まれると右前頭部がブルブルブルッ!と震えたように感じ、1度目よりもスッキリした気持ちになりました。

この頃から少しずつ、人の集まるお店等に、自分から「人混みがだめなら帰ればいいから行ってみよう。」と前向きに思えるようになりました。そして、足もみを続けるうちに人混みに耐えられる時間は長くなっていきました。

驚きの反応が

休職して3か月が過ぎたとき、病院で“完治”という診断は得られず、退職しました。

その後、咳や鼻水がひどくなりました。浜崎先生から「身体が元に戻る過程で過去に患った症状が表に出てくることがある。」と聞いていたので、足揉みを続けました。

それから半年ほど経った頃、夜中にひどく咳き込み、鼻も詰まって眠れない日がありました。鼻をかむと、右の頬の中で何かが動きました。次の瞬間、ティッシュにずしりと何かが出て来ました。そこには、黄色い塊に血管のようなものがついている不思議な物体がありました。親指の爪よりもやや大きいくらいの大きさでした。その後鼻づまりが止まり、やがて咳も出なくなりました。

ボランティアで気持ちが前向きに

官足法を始めてから10ケ月ほど経った頃、農家でのボランティアを始めました。そこで、働く自信と感謝される喜びを感じました。このことが気持ちを大きく前向きにしてくれました。

ボランティアを始めて半年過ぎた頃、病院でも就労許可が出ました。このとき、溜めていた薬の重さを量ると5kgもありました。足もみを始めなければ、この5kgの薬が体の中に取り込まれていたのだと思うとゾッとしました。

これまで私は、グリグリ棒とウォークマットⅡを主に使って足を揉んできました。療養中、仕事を辞めたことで、足を揉む時間がたくさんありました。浜崎先生の指導の下、足全体を揉むよう心掛けました。どうしても時間がないときには腎臓の反射区と小指を中心に揉みました。テレビを観るとき等、ながら作業で行っていたことが長続きした理由かもしれません。

自分ではなかなかうまく揉めない場所は、浜崎先生に揉み方を教わりながら揉んでいます。もう病院へは通っていません。今まで痛みを伴う官足法を続けられたのは、足もみによる体の回復もありますが、先生と話すことで明るい気持ちになれたことがとても大きいと思います。いつの間にか先生に会えることが楽しみになっていました。

周りのみなさんに感謝

“うつ病”と診断されてからいつの間にか3年が経ちました。いつも傍らで支えてくれた妻、常に応援してくれた両親、浜崎先生を紹介してくれた姉に、本当に感謝しています。

そして、官足法を教えて下さった浜崎先生と出会え、“うつ病”と知りながらボランティアとして受け入れて下さった農家の方々と出会えたことにも有難い気持ちでいっぱいです。

これからも足もみを続けて、更に健康になりたいと思います。目指すのはまだ生まれて7ケ月の娘の足です。まだ靴を履いたことがない、小さいけれど、常に温かく力強い、きれいな足です。

(2011年7月官足法ニュース掲載分 次回の体験談では8年後のこの方の活躍をご覧ください。)