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官事務所の小窓

2月6日

 2月のある日、「長生きしてもいいことあるの」と題した投稿が新聞に出ていた。45歳の会社員からのものだった。日本は世界でもまれな長寿国であり、医療も発展している。その根底には「長生きは良いことだ」という考えがある、しかし、今後まともな退職金はもらえそうにないし、年金も60歳からもらえない。ということは働くことになるが、収入は推して知るべし。おまけにどんなに医療が進んでも「老い」はやって来るし、慢性的な病気と闘わなければならない。まさにワーキングプアに突入することになる。「悠々自適」など死語になり、いたずらに寿命を延ばすことがいいのか、と結んでいる。
 確かに日本の現状をみると、明るい未来を見出すことは難しい。今現在働き盛りの人にとっては老後のことを考えると暗澹たる気持ちになるだろう。どんなに「備え」をしようと思っても、できることは限られているからだ。
今、国会では「社会保障と税の一体改革」が議論されようとしているが、与野党とも真面目に取り組んでいるようには見えない。このような現状を見るにつけ、働き盛りの人には絶望にも似た感情が湧いてくるのもうなずける。(幹)


 新しい年が明けました。年末年始は交通機関もそれなりに込み合っていたし、デパートなども福袋を買い求める人で賑わっていました。テレビの街頭インタビューでは昨年の震災を念頭に「今年はいい年にしたい」と願望を込めて語っている人が多いようでした。当然のことでしょう。しかし、自然災害とは別な意味で激動の一年になるのではないかという評論も少なくありません。政治の世界では野田首相が消費税増税を不退転の決意で決めると言っていますし、経済の面では相変わらず円高が続いており輸出産業は危機感を募らせ、景気の底割れも懸念されているほどです。世界的には昨年から続く欧州の金融危機がさらに広がり、その影響で世界同時不況に陥る危険性があるという評論家もいます。また、今年はアメリカをはじめいくつかの主だった国でリーダーの選挙があり、その結果次第では状況が大きく変わるとも言われています。
 そんなわけで「いい年」にしたいのはヤマヤマですが、決して楽観できる状況でもなさそうです。個人の力ではほとんど何もできそうにありませんが、健康管理なら出来ます。足をもんで自分も家族も元気で過ごせるようにしたいものです。(幹)


2012年1月1日

 明けましておめでとうございます。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今年からタイトルを一新しました。よろしくお付き合い下さい。
さて、辰年というと思い出すのは昨年来日されたブータン国王が被災地の小学校で語った言葉、「私は龍を見たことがあります。龍は経験を食べて人の心に育つもの。皆さんも経験を糧として大きな龍を育てて下さい。」と。幸福の国ブータンの王様は優しくて力強い励ましを子供たちに与えてくれた。
天高く上がる凧にも龍の字が付き物だけれど、大きく育って伸びやかに天を駆ける龍のようになったらいい。

12月28日

 暮れも押し詰まり、何かと気ぜわしいような、半分諦め気分もあるような日々である。残業ついでに気になっていた近所のラーメン店に行ってみた。確か「頑固ラーメン」という店だったが、先日その辺りを通った時、目の端にラーメンすなおと映ったのだ。まさかね、と思いながら、気のせいとやり過ごしていたが、どうも気になる。今年一年にやり残しがないように確かめてみることにした。以下、写真。
…店主が変わったのだそうだ。頑固もいいが、素直がいいよ、ということらしい。頑固ラーメンはきっと、こだわりの味を追求するという意味なのだろうから文句は無いが、日常には素直がいい。素直に言葉を出す。これが案外難しい。人に対して無垢な信頼を持っていて始めてできることかもしれない。でも、恐れることにも利は無い。笑顔には笑顔が、信頼には信頼が返ってくることを、理屈では無く実践で分かるべきなのだろう。もう私たちは…。
さて、今年は大きな災害に見舞われた年でしたが、官足法を支持して下さる皆様のお陰をもって無事年越しを迎えられそうです。本当に有難うございます。どうか、悲しみに慰めがありますことを。労苦と喜びが来年に繋がり、大きな実を結びますよう。そして、健康でありますよう、心よりお祈り申し上げます。


12月10日

 早いものであと20日ばかりでもう新しい年になる。今年は震災をはじめ、大きな災害が多い年だった。
 先月の官足法指導員養成講座でも、宮城県から見えた参加者がいる。内陸の方だったが震災当時の様子を聞くにつれ、報道されていない数多くの戦慄すべき事実があるのだと思った。先日電話でお話ししたら、少しでもみんなを元気づけようと始めた足もみサークルが今では17人になったという。家にこもりがちなお年寄りが一人増え、二人増え、と徐々にではあるが、広がっているらしい。そこで彼女の穏やかな笑顔がみんなを和ませ、触れ合うことで心を開いてくれる人たちが、また彼女を励ましているであろうことを想うと、なんだか胸が熱くなるのだ。
 絆という言葉が息を吹き返した今年、人と人との心の通い合いこそが幸せと、あらためて思うのである。


11月19日

 街にクリスマスソングが聞こえてくるこの時期は、喪中はがきの季節でもある。いつしか、訃報を聞くことが多くなったのはそれだけ長く生きてきたということか。
いろいろな逝き方があるが、時も含めて自分で決めていったのではないかと思うことも多い。遠く離れた家族が集まれる時に亡くなる人や、後で考えればその時期が本人にも周りにもよかったのかもしれないと思える人もいる。
そうは言っても、胸が張り裂けるような別れを繰り返して私たちは生きている。もっと生きていて欲しかった、それが掛値無しの本当の気持ちだ。ましてや災害で大切な人を亡くした人々にとってその喪失感はいかばかりか…。
 誰しも死なない訳にはいかないのだが、せめて生きている間その人らしく生きられるように応援するのが私たち官足法に関わる者の生き甲斐だ。最後まで大好きな煙草を離さなかった官有謀先生もフフンと笑っていてくれようか。8回目の命日に寄せて…。
合掌


10月22日

震災後の世の中に慣れてきた。(多少!?)汚染が心配される食べ物や空気、水も、摂りつつ生きていくのだと。円高還元の無い円高にも慣れ、状況に気持ちが慣れてきたら節電も元に戻りつつある。冬になったらまた必要に応じてせっせと励むことになるだろうが。
「慣れる」とは違和感を覚えなくなることだそうだ。ずっと緊張しているのは大変だから一種の防衛反応なのだろう。
「初心忘れるべからず」は「慣れる」ことを戒めた言葉だ。最初の気持ちをずっと持ち続けることの難しさ。子供がオギャアと生まれた時の喜びと感謝をずっと持ち続けられたら、親子喧嘩はぐっと減るだろう。
夏が過ぎ、秋が来て、冬になる。変化に応じて慣れなければいけないこと、忘れるからいいことはあるけれど、ふと立ち止まり違和感を確認することは流されて生きていかないために大事なことかもしれない。慣れなきゃしょうがない、というのは努力しない言い訳になることもあるから。自戒を込めてそう思う。


9月7日

 各地で甚大な被害が出た先週末の台風、またも多くの犠牲が出、多くの方が被災された。不幸にして亡くなられた方々のご冥福を祈り、被災地の一日も早い復興を願う。
この週末、八戸は晴天だった。3月11日の津波で大きな被害を受けた埠頭では土日の朝市が開かれ、日も上がらぬ前から大勢の人で賑わう。あの日大きな船がゴロゴロと道に上がっていたという名残は今は無い。水に浸かった爪痕はあるけれど、きれいに片付けられた町で、人々は元気に働いている。
日曜日に開かれた官足法八戸講習会には地元の官足法指導員を中心に会場いっぱいの参加者が集い、熱心に講義を聞き、実技に取り組んだ。強くもむのが官足法の特徴だが、初めはおそるおそるの方が、納得するにしたがって真剣に取り組む様はこちらの方が頭が下がる。やると言ったらやり抜く東北人の意志の強さをあらためて感じた。
「復興」は今や文字通り九州から東北まで日本全土のキーワードだ。新しい内閣が長続きして復興を進めてくれることを、八戸のように七転八起の町があちこちにできることを願って止まない。


8月12日

 円高が続いている。輸出産業は大変だが、こういう時にはこういう時で、高い円で相対的に安くなった世界の資源を買っておくとか、元手があれば、やりようはあるらしい。
 それにしても、何年も前からドルが危ないと言われていたが、アメリカ国債の格下げでついに現実のものとなり、ここに至って金利も下げるという。日本が辿った超低金利政策は、お金を借りるにはいいが、貯金をしても増えない、消費意欲の湧かない、デフレスパイラルへの道だった。この出口のない道をアメリカのみならず、欧州でもイタリアなどが追随しそうだという。
 他に方法が無いのだろうか。もしそうだとしたら、資本主義は行き場のない袋小路だ。社会主義も高速鉄道の事故車両を埋めて隠蔽しようとするくらいだから、システムとして難しいのだろう。好調な発展を続けているかに見えるロシアもシベリアの開発で凍土が融け環境破壊が深刻だ。
こうなったら下り坂に身を任せ、地球資源の浪費や環境破壊をできるだけせずに、モッタイナイの精神で知恵を絞り力を合わせて、なるべくゆるやかに坂を下り平地にたどり着くというのはできないか…。関東の方は節電で実績があるが、他のことでもなるべく節約し、江戸時代の人々のように限られた資源を無駄なく使う。発展と消費が美徳だった資本主義の考え方を大きく転換し、新しい価値を模索するのに、もう待ったなしの時代を私たちは生きているように思えてならない。


8月4日

 問1.「○肉○食」の○の中に当てはまる漢字を入れよ。
とあったら、あなたはどんな漢字を入れますか?ある生徒が「焼肉定食」と答えたそうだ。勿論出題者の意図する答は「弱肉強食」である。
 では、問2.人生の上り坂とは?
ある人が答えた。「上り坂は仕事も順調でだんだん出世して、どんどんお金が稼げる時でしょう。」
じゃあ、問3.人生の下り坂とは?
「そりゃあ、仕事でつまづいたりとか、病気をしたりとか、いろんなことが上手く行かなくて、もう人生こんなものかなぁ、なんて、夢も希望もなくなっちゃったりしてだんだんと歳を取ってゆくような感じ…。」
 ここで出題者曰く「えー?そうなの?下り坂ってさ、肩肘張って頑張らなくてもスーッと下りていけちゃう楽な時。上り坂は汗水垂らして頑張って頑張ってやっと上っていける大変なとき、なんじゃ?」
 正解は今のあなたが決めて下さい。


7月20日

 なでしこジャパンがワールドカップ優勝を成し遂げた。決勝戦は気負いの無い、高い集中力で、逆転に次ぐ逆転。試合を楽しむ、ということは正にこういうことなのだ、と思った。
試合後、選手の肩に東北のみなさんに宛てたメッセージ入り日章旗があった。被災者の方々の頑張りが選手の背中を押し、選手の活躍がまた我々の力になる。バトンを受け取ったらあの集中力を見習いたい。心配せず、後悔せず、ただ、今できることをやる。
いきなり上手くはできないが、目指していたらできるようになる気がする。なでしこたちの30年の歩みのように。


7月7日

 七夕というのに西からの雨雲で、東京では星は見えなさそうだ。短冊に書いた願い事は、それでもきっと届くだろう。雲の向こうはいつだって晴天なのだから。
 先日震災後に地域のラジオ局を立ち上げた若者たちをテレビが報じていた。被災者でもある彼らが自分たちの被災体験を伝えながら地元の方と交流し、拙いながらも思いを大切に届けていた。
 一方では復興を担う大臣の、人としての品性を疑われる言葉と態度。頑張ろうという思いはあったにせよ、あまりにお粗末だった。
 こんな時だからこそ言葉を大切にしよう、とどこかの大学の先生が言っていた。本当にそうだ。以前官足法の新年会で講演していただいた五日市剛先生も「ありがとうは魔法の言葉」と教えて下さった。官足法ニュースの一画でコラムを担当し、官足法指導員養成講座、続・養成講座の講師でもある岡山至氏も斎藤一人さんや様々な人々の言葉を紹介し、自ら実践されている。即ち、心配事や悪口を言わず、感謝の言葉などの幸せ言葉を言うこと、これだけで氏の周りでは良いことが次々起こるという人がいるのだ。
 旧約聖書にもあるではないか。「はじめに言葉ありき」と。私たちは言葉によって元気になれる。人間は得だ。そんな言葉を使っていかなくちゃ、もったいないというものだ。

6月14日

人間の寿命を延ばし老化を遅らせるのは簡単なことらしい。また足もみか、って?いやそれもそうですが、、バランスの取れた腹七分目の食事をすることだそうだ。我が官足法ニュースに文章を寄せて下さっている脳外科医、文ニューロクリニック院長の文隆雄先生も常々「腹七分」を唱えていらっしゃる。NHKテレビでは老化を抑える遺伝子の働きを紹介し、これを働かせるには軽い飢餓状態を作るのがいいのだと伝えていた。生物の歴史の中で種の保存のために仕組まれたものではないか、とも。 だとしたら神様は粋なことをなさる。飢えという切羽詰った状態に若さを保ち長寿になれる鍵があるなんて。他の生物の生命を大切にし、食物を分かち合う、足るを知る生き方こそが自分自身も元気でいられる生活だと教えてくれているようだ。 限りある地球の生命や資源を使い込んで人間は生きていることを、私たちはこの震災で実感として知った。食べる楽しみは捨て難いが、腹七分を目指せば、多少食糧が少なくなっても争って買いだめに走ることもないかもしれない。足をもんでも老廃物が少ないのであまり痛くない筈だ。「ちょっと足りない」を余裕を持って楽しめば、私たちは互いを思い合って、もっとよい社会を作ってさえ行けるのかもしれない。

5月31日

 5月のうちに梅雨入りするとは思わなかった。想定外だらけのご時勢だから、お天気も付き合いがいい。
想像できても関係者が敢えて想定しなかった原発の事故はしかし、いつ収束するのだろう。一日も早い解決を祈ってやまない。
先日指導員のためのサポートプログラム、続・養成講座の中で第三回担当の講師、食養のプロでもある滝澤利伊さんが玄米の効用を伝えてくれた。日本の伝統食ははからずも抗放射能食だったのだ。
玄米食を食べ、足をもみ、運動をし、モリモリと生きていこう。元気は元々私たちみんなが自前で持っている氣なのだから、こんな時くらい使わなくちゃもったいないというものだ。


5月13日
 今日から第28回指導員養成講座が始まった。東北から九州まで、定員を上回る講座は熱気に溢れている。岩手県の方、福島県からの方も、みんな元気だ。官足法ニュース5月号の、東京の官足法指導員宗像波子さんがボランティアに行かれた記事を見て、「被災者の方々を指1本で元気にしてあげられるって素敵だと思いました。」と参加された福岡県の方もいる。官足法指導員は一人一人が自分で実践できるように指導する。一人ひとりの力は小さいかもしれないけれど、若い力がこうして全国から集まってくれたことを心から有難いと思う。


4月22日

 春というのに東京ではこの2、3日季節が足踏みしているかのような寒い日が続いている。膨らんだツツジの可憐な蕾が首をすくめてまだかまだかと咲く時期を待っているようである。
 東北では桜の時期。テレビでは瓦礫撤去に働き始めた方が「桜が満開なのに自分が何もしないわけにはいかない。人間は働かなくちゃ。」と仰っていた。ごくごく自然にそう言われるその方の言葉に人間も自然の一部と納得する。けれど、働きたくても働き場のない人もまた多いだろう。新学期が始まり様々なことが動き出す中で取り残されたように感じている人たちもいるかもしれない。それでも、時は命ある限り一人ひとりに平等に与えられる。私たちはそれぞれの春を持っているのではないかと思う。
今が準備の時なら春を待つ草木のように、怠りなく準備していよう。身体を大切にして思いを大切にして、強く願って信じていよう。春が巡ってくることは必然なのだから。


4月14日

 今年も桜の季節が過ぎ行こうとしています。「一期一会」という言葉が胸に沁みるのは、また一つ歳を重ねたせいか、震災のせいでしょうか。
 10日、満開の桜の中、静かな瀬戸内の海を見下ろす地で官足法岡山講習会が開かれました。3年前の当地での講習会以来、岡山の官足法指導員湯口幸恵さんらが中心となって毎月勉強会を開いている成果が実り、この日も多くの地元の方々が見えられました。山口、島根、広島など遠方からも参加して下さり有難うございました。
 講習会では官足法に興味を持って下さった方々との新たな出会いに教えられ、励まされます。また官足法の指導員の皆さんとの再会も楽しみの一つです。それぞれに苦しい時期を経て、自分で足をもんで身体の不調を克服してきた皆さんの温かさにいつも支えられていることをあらためて実感しました。


4月5日

 東日本大震災への相次ぐ寄付が話題になっている。今年の賞金の全てを寄付するという石川遼君。被災者の方に思いはきっと届いただろう。100億円の寄付、と言えば長者番付日本一のソフトバンク孫社長だ。個人の総資産が6000億円を超えるそうだからなんともピンとこないが。
台湾でも寄付が100億円集まり、まだ増え続けているという。この中には一社で10億円出した企業もあるが、殆どは一般の人々からのものだ。日本の6分の1の人口で、経済もけして良くはないのに、この数字は日本人と勝るとも劣らぬ寄付をしてくれているということなのだ。台湾に眠る我が官有謀先生もさぞや鼻を高くしていることだろう。
なにはともあれ世界中の人が心配してくれているのだと思う。この温かな心に日本がいつか報いて、世界はもっともっと仲良くなってゆく、そうなったらいい。


4月1日

 3月は別れの月、4月は始まりの月、そのことが今年ほど身に沁みることはなかった。あまりにも多くの別れ…。人間の思いを遥かに超えた自然の猛威に日本列島が、世界が震撼した。今も続く原発の脅威。人間が予想を立てて綿密に計算したものは何だったのだろう。多くの人が様々な予定変更を余儀なくされている。人の計らいのなんと無力なこと。それでも今日のこの日常を生きたいと願う。
 計画停電実施中の東京電力管内では皆が節電を心がけるようになった。NHKのクローズアップ現代で紹介していたが、アニメ、エヴァンゲリオンの中で日本中の電気を消して電力を集め強力な砲弾を作った「ヤシマ作戦」にちなんで若い人たちもヤシマ作戦を合言葉に節電を呼びかけているという。一人一人が心がけることで停電を回避する大きな力になるのだ。
 一人一人ができることは小さなことだけれど、集まれば強い力を発揮することを知った意味は大きい。半身に深い傷を負った日本だけれど、今から始まる未来はそう捨てたものではないかもしれない。


3月23日

  映画「メゾン・ド・ヒミコ」、NHKドラマ「火の魚」などで知られる脚本家の渡辺あやさんは16年前阪神淡路大震災を経験されたそうだ。21日付け神奈川新聞意見提言欄に、彼女が書かれたことを以下抜粋して紹介したい。
――(前略)直接の被害者ではない私たちにできる最低限のことは、まず事態の対応に追われている方々を「安易に責めない」ということだと思います。(中略)まずは「感謝」ということが何より大切だと思います。つとめて「ありがたい」と思うこと、あるいは相手にそう伝えることは、単に倫理や道徳的な意味をはるかに超え、状況を、そして混乱の中にいる私たち自身の心と体を助けるのにもっとも効果的な方法です。「怒る」あるいは「責める」ことで何かが改善するようには決して私たちはできていない。本当に有益なのは「感謝する」ことだと思います。――
 ドキッ。TVを見ては何かと言いたくなる我が身を振り返る。
 渡辺さんは続けてこう言う。「とにかく足元を温めて」と。「足元を温めると体と心は非常に安定する」と。「足が温かい」という状態は、それだけでかなり心を楽にしてくれます。続けると風邪をひきませんし、体調も想像以上に改善されていきます、と。
 暖かい靴下などを履くようにとの勧めで文は締めくくられているが、足湯や、それが無くても足もみがオススメだ。しっかり足をもんだときの内からポカポカの温かさ、グッズが無ければ自分の手でもむだけでもいい。「感謝」で心を温かくし、足元も温かくしたら、今日を笑顔で過ごせそうな気がする。


3月19日

 ふと気がつくと毎日使っている階段の横に小さなコブシの花が咲いていた。細い枝に白い蕾をいっぱいにつけて、ひとつふたつとまるで生まれたばかりの赤ちゃんが小さな手を開くように花びらを伸ばしている。
 3月11日の前と後で、世界は変わってしまった。津波と原発、避難所の人々の涙と笑顔…。大切なものを失ってなお朝が来てまた夜になるこの日々を生き残った人たちは劣悪な環境に耐えて過ごしている。自らを励ましつつ。
 自分だったらあんなふうに笑顔を見せられるだろうか?「有難い」「幸せ」と、あんなふうに言えるだろうか?被災してなお相手に向けるやさしさが、胸を打つ。
 ついこの間まで無縁社会を嘆いていた日本のあちこちで、声を上げ手を差し伸べようとしている人がいる。相身互い、助けてと言い、助けたいと言おう。生きて在る者同士。いつか時が過ぎてもこのことを心に深く刻んで、握っていたコブシを開いて、手を繋いでいこう。


3月12日

 未曾有の惨事が起こった。太平洋沖地震をはじめ、各地で強い地震が同日に起こるという事態。特に東北地方の被害は甚大だ。亡くなった方、行方不明の方は12日朝現在で1000人を超すというからこれからどれだけの被害が明らかになってゆくのか…。ご冥福をお祈りし、一日も早い復興を心より祈念申し上げる。
 東京でも強い揺れがあり、出先の葛飾区から中野区の事務所に引き返した。バスと順次再開した地下鉄と私鉄を乗り継いで、8時間。携帯のワンセグで情報を取ったり、地図を廻し読みしたり、メールや電話で得た情報を共有したり、バスの中では知らない人同士が助け合った。
 東北地方の方たちは忍耐強く、どんな状況も静かに受け容れ、暖かく助け合うというイメージが私にはある。そんな人たちの苦境をみんなで支えていけたらいい。


3月7日

 また外相交代とは…。足の引っ張り合いも大概にしてもらいたい、と殆どの国民は思っているはずと感じるが、当の政治家たちは思わないらしい。東京は雪。こんな雪の中でも土に根を張って水を吸い上げ、固い蕾の中で花びらの準備怠り無い、まだ見ぬ今年の櫻を思う。自然の営みは何があっても営々と続く。ニュージーランドの地震で、何もかもなくなった瓦礫の下にもまた草が生え花が咲くことだろう。草や木、その種は生きることが仕事で、ただ、ただ、生きている。今を。その結果として芽吹きの春を迎えるのだ。「明日を思い煩うこと無かれ」という聖書の言葉は慰めでなく、生きる本質を言ったものかもしれない。日本の未来には不安を禁じえないけれど、人間はまた自然の営みの一部として、ただひたすらに今を繋いでゆくことができるのだ。

3月1日

 もうすぐ雛祭り。雛あられに桃の花、甘酒の愉しみもあれ、やがて春。
 春、といえば「サクラ咲く」だが、大学の入学試験問題がネットで回答される時代になったとは、いやはやびっくりである。回答した方は今頃どんな気持ちだろう。同情するに余りある。
 目の前のことで焦ったり、不安になったり、大間違いなことをしでかしたり、人間だからいろいろやる。当人たちは周りの期待になんとか応えようとしたのかもしれない。ただ便利だからやったのかもしれない。これまで目標に向ってそれなりに努力してきたのだろうに、もったいないことだ。
上手くいかないときも、後になってみると大きな意味があると思えることもある。自分を大切にしてもらいたい。いずれにしろこれから綺麗なサクラがたくさん咲くことだろう。


2月23日

 中東の情勢から目が離せない。これまでの世の中が大きく変わってゆく転換点に私たちは歴史の証人として立っているのかもしれない。世界中の様々な場所で、人々の心の中で既成の価値が崩れ、新しい価値が生み出されてゆく。変化こそが常なるものとは言え、そのスピードの速さに驚く。
 さて、20日には新しく官足法指導員のためのサポートプログラムが始まった。自分で足をもむことの意味とやり方をよりよく伝えるために研鑽を積み、技術の向上を図る。すでに各方面で活躍されている方々だが、もっと勉強したいと参加され、学ぶことの大切さを再確認されていた。ここからさらに確実に頼りにされる人材が育ってゆくことと思う。
 世の中がどんなに変わっても健康でさえあればなんとかなる。そのためにその方法を身につける。自分でできるやり方を学べば誰にも壊すことのできない、けして無くならない財産になることと思う。

2月8日
 
 ついこの間サッカーに沸いたのは束の間の夢だったのか、今度は相撲の八百長発覚だ。不祥事続きの相撲界とはいえ、相撲協会が無くなるかもしれないことになるとは予想もしなかった。場所中午後4時から始まる相撲中継を楽しみにしていた母が、もし今生きていたらどんなに嘆いたことだろう。全国にそんなお年寄りがたくさんいらっしゃるのではないだろうか。
 それに比べてアジアカップで活躍したサッカー選手、長友のイタリアの王者インテルへの移籍は明るいニュースだった。イタリア語の挨拶も好もしい。活躍しながら骨折で悔しい思いをしているであろう香川も今のふんばりが後でどう生きてくるかわからない。日々は流れてゆくけれど、どの試合も勝てるかどうかわからない死闘を決して諦めずに制した彼らの心の強さに勇気付けられたことを、忘れないでいたい。
 決勝戦の1月29日は官足法新年会が都内ホテルで開かれた日だ。今年は脳神経外科医の文隆雄先生の認知症についての講義と落語家と医師の二足のわらじを履く立川らく朝さんの健康トーク&落語。認知症の幽霊が出てくる話である。勉強会の部でも認知症予防に焦点を当てたもみ方の勉強もし、参加者は真剣に取り組んでいた。


1月15日

 朝早く家を出ると暗い中ジョギングをする人々が多いのに驚く。早起きの目標を立ててもなかなか実行できない身には尊敬することしきりである。
さて、新年早々また、内閣改造だという。もうそんな話題にも慣れっこだ。ある人が居酒屋でこんな話を耳にしたという。「20年間で14人も首相が変わる、そんな国は日本だけですよ。」中国人のビジネスマンだったそうだが、私も含めて日本人でその数字を言える人がどのくらいいるだろう。私は今の集合住宅に20年住んでいるが、お隣はせいぜい6,7家族入れ替わったくらいだ。14人も変わったら、名前を覚えるのも難しい。相談ごとなどとんでもない。世界で信頼を得る国になるにはまず我々がもう少し気を長く持たないといけないのかもしれない。
2011年は始まったばかり。まずは一年の計を一日でも長く持たせなくては…。


1月1日

明けましておめでとうございます。
お陰さまでまた新しい年を迎えることができました。
「足もみで健康を守ろう」という志を共にしてくれる指導員の方々、その皆さんを支えて下さる周囲の方々、足もみに興味を持ち実践して下さる皆さん、その皆さんを支えてくださる方々…同じ時代を共に生きる全ての人々がどこかで繋がってお世話になってこうしてお陰さまで新しい年を共に迎えることができたのだなぁ、と暮れの忙しさに縮こまった心を広げて思いを新たにする。
 日々の仕事や暮らしの中で足りなかった点は多々あるけれど、とにもかくにも一年を終えこの新しい年を迎えられたことを寿ごう。昨年は社会が閉塞感を増したという。が、その分個人レベルでは大切なものが見えても来たのかもしれない。クリスマスや暮れの商店の賑わいは家族を思う表れのようにも見えた。
 このような時代にあって官足法の「自分や家族の健康を自分で守る」という役割は、今後ますます必要とされるはずである。なぜ足をもむのか、どうやるのか、をわかりやすく伝え、必要としてくださる人々にお届けできるよう全力を尽くしたいと思う。どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。
 皆様の健康が守られますよう、佳いことがたくさん起こりますよう、心よりお祈りします。


11月27日

 毎年この時期になると、ついこの間年始の挨拶をしたばかりのような気がして一年の早いことに驚く。歳を重ねるとだんだん時が経つのを早く感じるようになるというのは実感だ。
 が、歳のせいにしている多くのことは、意外とそうでもなかったりする。足もみを励行する人には年齢より若く見える人も多いが、老化と言われた骨密度が上がった、とか関節の痛みが改善した、などはよく聞く話だ。忘れっぽい、ということも根っからそういう性格の人もいることを考えると、あまり歳のせいだとクヨクヨしない方がいい。気にすればするほどそうなるということもある。そういう時もあるさ、と気を楽に持って自分を信じていよう。
 長くも短くも、これまでの年月を支えてくれた周囲の人々と自分自身に感謝して、これからの忙しい年末、どうぞご自愛下さい。


11月15日

 外を歩くと色鮮やかな落ち葉に目を奪われる。下を向いて歩くのもたまにはいいものだ。
 先日第27回官足法指導員養成講座があった。参加者は19歳から79歳までその差60年。若い方が多く、健康への関心の高さが伺える。皆、師・官有謀のスピリットを受け継ぎ、求める人に「自分で自分の健康を守る」足もみを伝えていってくれることを願う。指導員と認められるまでにはまだ課題をこなさなければいけないが、これからが楽しみだ。
 今年は七回忌にあたり、先生のお気に入りだった中華料理店で食事会が開かれた。若いときに大病をし自ら病を克服、成功を収めた後の人生を異国での人助けに生きたその生き様を思い、あらためて胸が熱くなる。


11月6日

秋もぐっと深まり、銀杏の黄色も鮮やかだ。先日は一日のうちに屋久島からはバナナがたわわに成っている、旭川からは湯タンポを入れている、とのお電話をいただいた。日本も広い。
10月23日の大阪勉強会は、ノリのいい関西の皆さんにこちらが乗せられたかのような楽しい勉強会になった。開催の労を取って下さった箕面市の浜崎ふく子さんご夫妻とその教室の皆さんのおかげで大盛況で、よくわかった。
またやってとの声もいただいた。さて、今日からは指導員養成講座。また頼もしい仲間が生まれる。

10月20日 

スーパーで「チリ産レモン」の表示を見て「ああ、あのチリの…」と手が伸びそうになる。チリ産ワインの購買量も上がったことだろう。南米チリの鉱山で生き埋めになったと思われていた33人から、地下のシェルターで全員無事とのメモが届けられたと聞いた時、あまりの奇跡に、感動に打ち震えた。69日間の地下での暮らしは生きた心地がしなかっただろう。全員無事に救出され、本当によかった。が、世界が一つになって33人に思いを寄せたのは何故なんだろう。世界には地下のシェルターと同じくらい絶望的な地上も、そこでもがいたり諦めたりしている人々も沢山いることをみんな知っているのに。考えてみたら33人もが絶望的な状況の中で希望を失わずにいる、その心の力に勇気づけられたからかもしれない。人間ってけっこうスゴイ、と久々に思わせてもらった快挙だった。

10月12日
キンモクセイの甘い香りがすると、子供のころの運動会の緊張を思い出す。出番が近づくとよくトイレに駆け込んでいた、そんなドキドキも懐かしい。
 今年の体育の日はほぼ全国的に晴天だったらしい。体を動かし、血流をよくして細胞のの隅々まで酸素と栄養を行き渡らせよう。
運動の後は足をもんで筋肉を柔らかく解しておくこともお忘れなく。



10月6日
 総武線東中野駅から西を眺めると、草生い茂る両側の土手に挟まれて真っ直ぐに線路が伸びている。晴れた日の朝と夕方、陽射しを浴びて光るレールがどこまでも伸びてゆくのを見るのは気持ちのいいものだ。ホームから身を乗り出して見るわけにもいかず満足するまで眺められないのが残念だ。
 線路やホームでの事故が後を絶たない。三歳の子供から線路を渡りきれなかったお年より、酔った人や酔った人にぶつかられた人…。その生身の人間とは隔絶した混んだ電車に揺られて人身事故のアナウンスに「またか」と思い遅延を呪う。どちらも浮かばれない。
 山手線新大久保駅で線路に落ちた人を救おうとして韓国人の青年が犠牲になってから何年経つだろう。異国でそんなふうに命を落とした人もいることを忘れないでいたい。
 ホームで歩きながらの携帯メールなど、本人は自覚なく周りから見ると危ないことはたくさんある。ついついやってしまうけれど、用心しなければ、と思う。



930

 雨の日も多くなり、すっかり秋らしくなった。暑すぎて夏に出そびれた蚊が今頃出てくるのも可笑しいが、来年に命を繋ぐためなのだろう。 

 さて、いろいろあったけれど綿々と繋いできた日中関係が近頃また揺らいでいる。日本人からすると理解に苦しむことが多い。

 中国は何を考えているのだろう…。

中国の人なら誰もが知っている昔話に「愚公移山」というのがある。愚公というおじいさんが家の前にある山をよそへ移そうと考えた。来る日も来る日も土を掬い働き続けるおじいさんを、通りがかりの賢いと自負するおじいさんが嗤うのである。「そんな出来もしないことを」と。愚公は慌てず騒がずこう言い放つ。「山はこれ以上大きくはならない。が、山を掘るのは自分が死んだら息子が、息子が死んだら孫が、孫が死んだらその子供が引き継ぐのだから、出来ないことがあろうか」と。

前回中国の温家宝首相が来日して鳩山前総理と首脳会談を行ったのは鳩山さんが総理辞任を発表する直前だった。中国に戻った温家宝は面子を潰された思いだったろう。日本には話をするべき相手がいない、というのが本音ではないだろうか。

今の日本の政治はころころ変わる。それに比べて数十年のスパンで国家の計画を立て、トップが交代しても引き継いでゆくのが中国だ。今の中国はその結果だし、未来の中国のために今の中国はたゆまず動いている。そんな国が隣にあることを忘れて身内の事情に明け暮れる。70年代以降、日本は国庫が傾くほどのODAで世界に貢献してきた。今、その日本が窮地に立っている。難しい問題ではあるが、本来なら日本擁護の国際世論が出てきてもおかしくないと思うのに、なぜか起こらない。何故だろうか。それは、日本国としてどんな貢献をしてきたかということを、日頃から各国民に知らせる努力を怠ってきたからだろう。

遅きに失した感が無いでもないが、これから在外公館が日本の道理を説明して回るという。何らかの効果が出ることを期待したい。



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 秋が来た。気温35度が普通になって、「今年はずっと夏か」と諦めていたところへ、やはり秋は来るものなのだ。人間諦めてはいかん。

 民主党の代表選挙も終わり、菅総理大臣の続投が決まった。日本のトップが目まぐるしく変わることも普通になり、「今年は誰が総理大臣なの?」と小学生が聞いたという話があったが、少なくともこれで「今年の秋は…」とだけは答えなくてもよさそうだ。

季節は巡る。今は様々な問題を抱え、いささか調子の悪い日本も、ずっと同じではないはず。明るい未来を願ったら、一人一人が今できる今日の一歩を歩くだけだ。

涼しくなったのでよく眠れるようになった人もいれば、夏の疲れがどっと出ている人もおられることだろう。できればあまり無理をせず、身体の調子を感じてみよう。



9月10日
 台風が来て厳しい暑さも去るか、と思いきや、そうでもないらしい。それでも季節は巡ってゆくのだから気長に待つことにしよう。昨日9月9日は重陽の節句だった。中国では旧暦のこの日、菊酒を飲んで邪気を祓い、長命を願うという。
 素直に長命を願える世の中ではないが、出来る限り自分で足をもんで健康を守りつつ元気に長生きするのは悪くない。人との関係が希薄になって、放置された親が戸籍上だけで生き残る、なんとも凄まじい時代だが、元気でいれば何かできる。依存するのではなく、誰かと繋がり、誰かに微笑むことができれば、もっとみんなが生きやすくなると思うのだが。
本来の重陽の節句までにはまだ間があるが、夏の疲れが出て体調を崩しやすい時期になってきた。風邪をひいてしまったりしないようご注意を。



8月27日
 残暑というにはあまりに暑い日が続いている。興南高校が春夏連覇で熱戦を制した甲子園もいつもの年以上に熱かった。特に準決勝では地元報徳学園が相手だというのにスタンドの多くの人々が興南高校を応援していたのではなかろうか。今年は特に基地のことで沖縄が関心を集めている。彼ら自身の素晴らしい戦いに感動しただけではない、沖縄の人々のために彼らの優勝を心から喜んでいる人が沢山いるようだ。
 さて、そろそろ食欲の秋へ、と行きたいところだが、海水の温度上昇でさんまの漁場が遠くなったとか。「目黒のさんま」は殿様が庶民の味を食する落語だが、今年はこれもまだ高値だ。
暑い暑いと言っているうちにクーラーにあたり冷たいものを飲み食いして身体が冷えてしまう。だるい、調子が悪い、という人はせめて屋内では暖かい飲み物を飲むようにしてはどうだろう。インドの人は熱くて甘いチャイ(ミルクティー)を飲む。故無きことではないだろう。



8月21日
 風が涼しくなって、暑さももう一息かと気を入れなおす。
この頃の日常の楽しみは朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」である。漫画家の水木しげる夫妻の話で、奥さんが書かれた本のテレビ化だが、これを通して戦後間も無い頃の日本人の生活や感情をはじめて知った人も多いと思う。私もその一人だ。
 今週は南方の島で戦争中に負傷した水木しげるさんの体験を通して戦争の惨さをリアルに伝えている。死ぬことが美化され、生きることが許されない戦争とは、いったい誰のための戦争だったのか。人が死ぬことを讃え、強制した人たちはどういう人たちだったのか…?今を生きている私たちに一年に一度来るこの季節。目を逸らさずに向き合う責任があると思う。



8月12日
 暑い暑いと言っているうちに暦の上では立秋を迎え、朝晩など風が涼しくなったのを感じる。空は濃い青を背景にした積乱雲から、青が薄まり、たなびく雲を多く見るようになった。蝉の亡き骸をあちこちで見かける。命の限り鳴き競った魂の抜け殻がもう何の未練も無く、軽く枯れてそこここに在る。
 人間の世界では生きていれば100歳以上のはずの多くの人が行方知らず。どんな人生を歩んできた方たちなのだろう。亡くなられているとすれば本人は未練もなく、満足して逝かれたのだろうか。野生の生き物のようにさっぱり死ぬのも一つだが、せめて見守ってくれる人の一人もいて命を終えられればいい。
 行雲流水、命は巡る自然の営み。その中で人は人らしく命を全うしたいと思う。


721

テレビをつけたら津軽三味線を弾く千葉勝弘さんが映っていた。千葉さんは青森県黒石市在住の民謡歌手で、官足法の指導員でもある。高く低く力強い三味線の音は時を超え、異空間へと誘ってくれる。黒石市の古い町並み「こみせ通り」を紹介する番組でのこと。こみせ通りでは津軽民謡のライブをやっているそうだ。夏休みのひと時、足を運んで哀愁の津軽三味線に身を浸すのも良いかもしれない。



7月13日
 パウル君のタコ占いが最後まで当ってスペイン優勝で幕を閉じたワールドカップ。4年後も楽しみだ。チームワークの勝利を見せてくれた日本代表と違って、日本の政界はさて、この期に及んで足の引っ張り合いだ。参議院選挙の結果の衆参両院のねじれは今の与党に失望した国民の意思なのだから仕方がないが、次代にツケを廻さないで我々の世代で問題を解決するのだという意思を持ってほしい。未来に希望を持って今を乗り切る道筋を見出し、わかるように説明してほしい。いつまでも政党同士のいがみ合いでは、観客激減の大相撲のようになってしまうかも。ああ、4年後は如何に。


7月9日
 先日の日曜日、埼玉県春日部市で官足法勉強会が開かれた。導引養生功埼玉支部の神田廣美先生は官足法の指導員でもあり、官足法をやると気がよく通る、と熱心に皆さんに勧めて下さる。神田先生の呼びかけで実現したこの勉強会、皆さん真剣に取り組まれ、質問も多かった。普段から足をもんでいる方も、そうでない方も、足もみの良さを再確認していただけたようだ。


7月1日
 俄かサッカーファンをたくさん作ったであろう日本代表チームのワールドカップが終わった。頼りないと思っていた日本チームがよくがんばって決勝トーナメントに進出、強豪パラグアイに最後まで一歩も引かぬ展開で、負けはしたけれど日本人もまだまだやれるかも、と思わせてくれた。諦めなければ何が起こるかわからない、それは真実らしい。
ワールドカップはまだ終わっていない。チームがバラバラになって去って行ったフランスや世代交代のイングランドなど、残念なこともあったが、アルゼンチンやガーナなど楽しみなチーム、個性的な選手の活躍を、今度は純粋に楽しんで見てみようと思う。



6月16日
7年の旅を終えた探査機はやぶさが地球に帰還した。打ち上げ直後からエンジンの不調がわかったり、小惑星イトカワに着陸直後に通信が途絶えたり、復旧後も相次ぐエンジンの故障に見舞われたが、その都度チームが智恵を絞ってピンチを乗り越え、奇跡的な帰還を果したのだ。カプセルが回収され、イトカワの砂が入っていれば言うことは無いが、そうでなくてもこの旅には大きな意義があるという。史上初めての技術を幾つも試み、困難を乗り越えてすべて成功させてきたからだ。
ワールドカップが始まり、昨日は日本がカメルーンと戦い、なんと勝った!しかしベスト4だの優勝だのと夢物語はゆっくりでいい。まずは今の実力をしっかりと発揮して、一戦一戦大切に戦ってほしい。勿論勝ち続けてもらいたいし、勝負なのだから勝つことこそが大切だ。けれど、世界中の精鋭が国民の期待を背負って全力でぶつかり合うのだ。日本チームがここで何を学んでくれるのか、大きな心で見守りたい。「はやぶさ」のように未来に繋がる問題を見つけて一つ一つ乗り越えていくことに大きな意味があるのだから。
それにしても何が起こるかわからない。諦めず、夢を捨てずにいれば何か素晴らしいことが起こるのかもしれないと思わずにはいられない。頑張っている人たちが私たちに夢を見せてくれること、その夢が私たち大人ばかりでなく、未来を担う子供たちを励ましてくれること、そのことに深く感謝を捧げたい。


6月9日
 新しい総理が誕生し、新しい内閣が出来た。といっても清新の気は無い。またか、と思いつつ、眺めやるばかりである。
鳩山政権は政権交代の興奮から坂を転がるように支持率が落ちていったが、今度は低いところからの出発。後は上がるのみ、となればいいのだが、さて、どうなるか。一国の総理として鳩山さんの言葉はあまりに軽かったが、ここに至るにはメディア側の無責任な揶揄や批判もあった。これを問題視する発言が取り上げられるようになったのは、最近の少しいいことではないだろうか。私たち国民も表面的な情報に振り回されずにじっくりと見極める目と心を持ちたいものである。

5月20日
 春の天候不順などなかったかのように、初夏の陽射しが眩しくなった。道端で香るジャスミンにも癒される。
 こんな佳い季節ではあるが、口蹄疫で大揺れだ。今は宮崎県が大変だが、周りの県も戦々恐々、いつ飛び火するかと心配している。これ以上被害が拡がらないように、牛を大量に"処分"するという案もでているそうだ。
 "処分"というとそうか、と思うが、病気になっていない牛も含めて殺されるのだ。大切に育ててきた農家にとって断腸の思いだろうし、またそれ以上にこれからの生活を思い不安だろう。被害が大きくならないうちにこの災禍が過ぎ去ってほしいと思う。
それにしてもあの黒々と憂いを含んだつぶらな瞳の牛たちが病気でなくても殺されるのを"処分"というのはどうだろう。「虐殺」と言わないまでももっと適切な言い方はないだろうか。無実の牛を"処分"する、の言葉に、こんなときこそ彼らの命をいただいて生きていることを噛みしめたいと思うのである。



5月12日
 先日ウィーンから国際電話をいただいた。

お友達から当事務所の電話番号を聞いた、と。外国で病気になる心細さはいかほどだろう。パソコンは苦手と仰るので電話でやり方をご説明したが、健康を守るため自分でできることは沢山あるので、是非諦めず取り組んでいただきたいと思う。
 新緑眩しい連休の一日、松本での勉強会には大勢の方々が来て下さった。足もみは一度習ったくらいでもそれなりに結果が出るのだが、奥が深いものだ。足もみをご自分でやってはいてもあまりパッとせず、まぁこんなものかなぁ、と思っていらっしゃる方には、機会を見つけて再度体験してみていただきたいと思う。
松本にも来て下さったKさんから葉書が届いた。ご自身の足のむくみが引いてきたそうだ。高齢の身で家族の足ももんでいるのだから大変に違いないのだが、明るく、希望を持ってご自分の経験を伝えながら病気のご家族を看ていらっしゃる、その慈愛に触れて私たちの心も温もり、励まされたのである。


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 春をそぞろに飛び越えて一気に初夏のような陽気である。官事務所の行事も、先日の指導員養成講座を終えて、今日は信州松本での甲信地域勉強会が開催される。

指導員養成講座も今回は長野の方が多かった。中でも最年長のKさんは80歳。杖無しでは立っているのもつらいほどだったが、これからのご自分のため、病める家族のために参加され、熱心に勉強される姿には頭が下がった。

3日間じっくり取り組むうち、杖を忘れてさっさと歩かれることもしばしば。今日の勉強会にも参加されるそうで、またお会いできるのが楽しみだ。

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 異常気象で野菜の高騰が続いている。アイスランドの噴火による飛行機の欠航も各方面で被害甚大だった。こんなとき人間は自然の脅威の前に為すすべもない、小さな自然の一部であることを気付かされる。

山々に、人が通る小径も無いような斜面に小さな祠や鳥居を見つけることがある。そこは人と自然を結ぶところなのだろう。

山田洋二監督が「役者が自信満々の時は使えない。何か自信が無く、思い悩んでいるような時こそいい。」と言っている。人間も自然の前で自信満々でいるよりは、自然の前に頭を垂れている方が地球にとって使えるのかもしれない。




4月16日

桜前線が北上し関東は葉桜になった。満開の桜の陰で凍てつく月に白い輪郭を光らせていたハナミズキの蕾もその柔らかな初々しい花を開き、季節は確実にうつろってゆく。

 先日NHKが「無縁社会」という番組を放映し、大きな反響を呼んだ。ごく普通の人々が土地や人との繋がりを無くし孤独死する実態。故郷の家族に迷惑や心配をかけたくないという若者が陥ってゆく孤独。どれも他人事ではない。

 解決策も提示されていた。自分からコミュニティに参加してゆくこと。はじめは恐る恐る、面倒はイヤだなと及び腰だったりするのだが、他人と一緒に作業したり話したりするうちに楽しく、こころ強くなってくるようだ。人という字は支えあっている、とよく言われるが、繋がりを求めるのが人間だ。たこ八郎さんの「迷惑かけて有難う」はけだし至言である。

 ある人に寂しい時のツボはどこかと聞かれた。私なりにお答えしたい。

 目を瞑り、呼吸を深くし、今日会った一人一人を思い出し、声に出して「有難うございます」と言ってみる。次にこれまでの人生で関ってくれた人々や親兄弟にも。内観と言われる広く知られた方法だが、寂しい時ほど効果的なオススメのツボである。



4月7日
 窓を開けると行き交う車の音、電車の通る音、工事をする人たちのかけ合う声がなんとはなしにのんびりと聞こえてくる。春は音まで聞こえ方が違うようだ。
ところで唐代の人、孟浩然の有名な詩の一節に「春眠暁を覚えず」というのがある。春は眠くてしょうがない、という意味で使われているが、実は眠りが浅くてなかなか朝が来ない、というのが本来の意らしい。だから夜来風雨の声を聞き、花がどれだけ落ちたかを知っているのだと。
東京の桜もあとは散ってゆくのを惜しむのみ。せめて夜更かしをして花の散る音に耳を澄ませてみようか。

4月2日
 1日、東京では夜からゴオッという唸りを上げて強風が吹き荒れた。朝になっても一部の路線では電車が徐行運転で数珠繋ぎとなり、一駅進んでは止まるほど。先日来の寒波を衝いて漸く満開となった桜が大きな枝をワッサワッサと揺らしている。せっかくようやっと咲いたものを無情な風よ、と思ったが、どっこい花は散らない。咲いたばかりの花の勢いは風に負けない。若い力とはこういうことか、と思う。
 4月になって新しい一歩を踏み出した人の中には必ずしも希望通りの出発ではない人もいよう。志望校に行けなかったとか、希望する就職ができなかった、とか。むしろ数から言えば思い通りにゆかない人の方が多いのではないか。苦しかったり、不安だったり、「若い人はいいわね。」などと言われるとどこがいいものか、と思うものである。それでもやはり、若い時というのはお金で買えない財産だ。その財産を存分に使ってほしい。何もほしくない、どこにも行きたくないという若者達を悟り世代というそうで、なるほど彼らは賢い。が、若いうちに賢くまとまらなくてもいいのではないか。いろんな経験をして、想像できないこともたくさんあることを知ってゆく中で自分を豊かにし、自分自身を知るのではないか。その強さは人に本来自然に備わっているのではないかと、風の中で思った。

3月31日
 寒波を経て桜が咲き出した。アメリカでは歴代民主党政権の悲願だった医療保険制度改革法案が成立した。オバマ大統領もさぞかしホッとしていることだろう。大統領就任演説で「チェンジ」の言葉を封印し、国民一人一人の責任と協力を説いた。ノリのいい言葉ではないが、それこそが「チェンジ」するということ、一人一人の自己改革なくして本当の変革はあり得ないということなのだろう。まだまだ根強い反対はあるようだが、ひとまずこれで普通の国民が安心して暮らせる基礎が出来たのではないだろうか。アメリカにはアメリカの成功哲学があろうが、我々東洋の思想で言えば陽には陰が、光には影がつきもの、勝者の陰には敗者がいるものだ。不幸にして運に恵まれなかった人たちにも安心して生きる権利がある。
  政権交代を見守る国民の忍耐も失望に変わりつつある日本だが、基本的に誰でも安心して医療を受けられる国なのだ。その上でもし自分で足をもんで自己治癒力を高め、一人一人の医療費が削減できたら、借金に悩む国庫にとっても、その重い負担を引き継ぐ子供たちにとってもなおいいと思うのだが…。


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